7 経済システム

7.1 Ethanimのトークン

 EPUはEthanimのネイティブトークンであり、Ethanim経済モデルの中心です。Ethanimというブロックチェーンプラットフォームとその上にあるメタバースアプリケーションは全てEPUを得て正常運行するのであり、Ethanimのエコシステムの価値もEPUによって体現されます。

 Ethanimのコミュニティが成熟するまで、EPUの発行量や規制、配分比率などのガバナンスは、Triasコミュニティの$TRIASホルダーによって維持されることになります。

7.1.1 EPUの使用者

主に次の使用者群に分かれます。

アプリケーション開発者:アプリケーション開発者は、Ethanimプラットフォームのリソースを使用して分散型アプリケーションを構築する際に手数料が発生し、ここでEPUを使用して支払います。

プラットフォームユーザー:イーサリアムなどのブロックチェーンシステムと同様に、EPUは、Ethanim上のメタバースアプリケーションの使用料やステーキングのために使用されます。

マイナー:マイナーはEthanimのコンセンサスノード、検証ノード、ストレージノードを運行する際、EPUをステーキングする必要があります。

7.1.2 EPUの流通マップ

7.2 EPUの獲得方法

 システムはEthanimへの貢献者、リソースの提供者に対してEPUによる奨励を行い、また自身のトークンを発行して経済システムを構築し、そこに参加するノードにインセンティブを与えるアプリケーションをサポートします。

7.2.1 マイナー

 マイナーは、Ethanimのシステムを正常に稼働させるための基本的な役割を担っています。 マイナーは以下のさまざまな役割に応じてトークンを受け取ることができます。

コンセンサスノード:EthanimのコンセンサスレイヤーはTriasのLeviatomプロトコルを使用しており、マイナーは$TRIASをステーキングしてコンセンサスノードの実行、メインチェーンのセキュリティ維持、スマートコントラクトの計算実行、スナップショット取得要求の対応などをすることで$EPUの報酬を受けることができます。

GPUマイニングマシン:マイナーは、Ethanimの仮想GPUリソースプールにGPUマイニングマシンを接続し、貢献したGPU演算量に応じた報酬を受け取ることができます。

ストレージノード:ストレージノードは、Ethanimの永続的ファイルシステムを実行する役割を担っています。ユーザーは自分の使っていないハードディスクを接続し、提供したストレージ容量と連続保存期間に応じてステーキング報酬を受け取ることができます。

検証ノード:検証ノードは、コンシューマーグレードのデバイスを使用して運行することができます。非常に低い敷居によって、より多くの一般ユーザーが参加でき、システムの分散化とスケーラビリティを促進します。詳細は、後述する「検証によるマイニング」の項でご確認ください。

7.2.2 ユーザー

 ユーザーはEthanimエコシステムの基盤であり、ユーザーがEPUに容易にでアクセスできることは、Ethanim経済モデルの原則です。ユーザーは以下の方法でEPUを獲得できますが、これに限定されるわけではありません。

検証によるマイニング:EPUをステーキングして検証ノードを実行するクライアント端末は、トラステッドステータスマシンの信用ステータスの検証を完了することでステーキング報酬を受け取ることができます。Ethanimは、ユーザーがマイニングへ容易に参加できる仕組みを提供しています。アプリマーケットのクライアント端末に統合された検証ノードは、ユーザーがどのアプリを使用していても、バックグラウンドで起動しているだけでも検証作業を同時に行うことができ、これによりトークン報酬を獲得することができます。報酬額は検証ノードを運行した時間やノードの信用値に基づいて決定されます。

コミュニティへの貢献:Ethanimではボランティア、アドバイザー、マーケターなどのコミュニティの貢献者に対してトークンをエアドロップします。

ステーキングの委託:EPUをステーキングし、コンセンサスノードに投票への参加を委託することでステーキング報酬の分配を受けることができます。

7.2.3 開発者

 開発者はEthanimのエコシステムを構築する最も重要な存在であり、Ethanimは従来の方法よりも柔軟なインセンティブを開発者に提供しています。

アプリケーションの開発:Ethanimでアプリを開発すると、最初に$EPUの資金が得られるだけでなく、アプリが公開された後の人気度に応じて、継続的にEPUの報酬を得ることができます。人気度は、アプリケーションのユーザー数、GAS料金の消費量、ユーザーの平均使用時間などの要素で決まります。

ハッカソンへの参加:Ethanimが主催するハッカソンなどのイベントに参加することで報酬を得ることができます。

コードの貢献:Ethanimは分散型システムであり、より多くの開発者が協力する必要があります。 Ethanimのシステム開発、バグの発見、脆弱性の修正などで貢献した開発者には、コード貢献度に応じて$EPUが支給されます。

オリジナルへの奨励:オリジナルのアプリケーションが異なるバージョンに派生した場合、その派生したアプリケーションの収益を分配します。

7.3 デフレーション

 Ethanimの経済システムでは、デフレーションを引き起こす可能性のある要素が二つあります。すなわち手数料と罰則です。

7.3.1 手数料

 Ethanimでは使用するリソースに基づいて手数料が発生し、この費用は”GAS”と呼ばれます。しかし、有料での体験は常に不愉快なものであり、システムを利用しているうちに自分のアカウントのトークンが減り続けることを望む人はいません。そのため、Ethanimのデフォルトの手数料は、ユーザーがステーキングした見込み収益から差し引かれます。 もし見込み収益が手数料をカバーできない場合、ユーザーはステーキングしたトークンの数を増やすかステーキング期間を延長して手数料をカバーするための収益を得ることを選択できるため、大多数のユーザーは実質無料でシステムを利用することができるのです。

 手数料の支払いが必要なリソースは以下の二つです。

1、データの保存

 アプリのコード、ファイル、データなどはすべてストレージを必要とします。このリソースの手数料はEthanimからのEPU報酬で支払われ、同時にアプリケーション自身のトークン報酬でもサポートされているため、ユーザーにはコストがかかりません。

2、コンピューティングの実行

 メインチェーン上での送金、スマートコントラクトの実行、アプリケーションの実行、画像レンダリングの実行などにもコストが発生し、その金額は計算の複雑さによって決まります。ユーザーのステーキングへの参加による見込み収益で優先的に支払うことができるほか、アプリケーション内のトークンで支払うこともできます。

7.3.2 罰則

 システムのセキュリティを維持するために、Ethanimノード間では相互に検証を行うことができます。誠実な仕事が報われるのとは対照的に、悪意のあるノードの運営やアプリケーションの不正利用は、システムがステーキングしたトークンを没収することで罰せられます。トークンは、報告したユーザーへの報酬と完全に破棄するものとに分けられ、コミュニティガバナンスで投票される割合で処分されることになります。

7.4 インフレーション  

 システムが持続可能であり、その経済規模が大きくなってくると、経済システムの安定性を維持し、ノードに報酬を与えEPUは、必然的に増大するトークンへの需要に応える必要が出てきます。その結果、EPUはインフレ状態になることが予測されますが、プラットフォームの使用量が大量になれば、焼却メカニズムによりEPUが大量に焼却されてデフレ状態に入ります。

 固定的で硬直的な経済統治は、変化する市場においては機能せず、科学的で柔軟な経済統治は経済システムの安定に大きく貢献します。 したがって、今後発行されるEPUの量や分配金の使途は、科学的かつ柔軟なガバナンスのもと、コミュニティが共に決定していくことになります。

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