5Ethanim通覧

5.1 Ethanimのコアバリュー  

これまで述べてきた通り、メタバースは大型の分散型アプリケーション群によって構成されるべきですが、従来のブロックチェーンプラットフォームはこれらのアプリケーションを高いレベルでサポートすることができません。したがって、メタバースを実現しようとするなら、まず大型アプリケーションの分散化という問題を解決する必要があります。

 Ethanimの全く新しいテクノロジーは、大型アプリケーションを分散化するために設計されており、大規模で複雑なアプリケーションの分散化を安全かつ高いパフォーマンスで実行することができます。これは、分散型世界における画期的な一歩であり、真のメタバースの実現を可能にするものです。

 Ethanimは今後、メタバースの必要不可欠なインフラ、ゲートウェイとなるでしょう。

5.2 Ethanimの設計原則

5.2.1 セキュリティ  

メタバースアプリケーションの分散化は重要ですが、パフォーマンスを確保するための分散化は、セキュリティの面に欠陥を残しやすいものです。そして、セキュリティが保証されなくなると、アプリケーションやエコシステム全体が無価値になってしまいます。

5.2.2 スケーラビリティ  

このシステムは、必要に応じて無限に拡張でき、高性能と低コストを維持しながら、あらゆる数のアプリケーション、あらゆるレベルの計算の複雑さ、そしてあらゆるユーザー規模をサポートします。

5.2.3 手軽さ  

手軽さには二つの領域があります。すなわち、開発の手軽さと使用の手軽さです。

 開発の領域では、開発者が慣れ親しんだ開発言語やアプローチを用いて、追加の学習をすることなく、究極のユーザー体験ができる大規模な分散型アプリケーションを迅速かつ効率的に開発できることを保証します。

 使用の領域では、エンドユーザーが分散型アプリケーションを通常のアプリケーションと同じように使いこなせることを保証し、複雑さを増すことなく、ユーザーのプラットフォームに対する認識を薄めるものでさえあるはずです。

5.2.4 持続的な分散化  

システムは、プラットフォーム上のアプリケーションや資産のセキュリティと堅牢性を確保するために、ネットワークの継続的な分散化を奨励、促進する必要があります。 また、プラットフォーム上のアプリケーションが消滅せず永続的に動くよう、技術的なソリューションとガバナンスの仕組みは、柔軟性があり継続的なイテレーションが可能なように設計されなければなりません。

5.3 Ethanimの原理  

Ethanimは、従来のブロックチェーンとは全く異なるソリューションを用いた、分散型コミュニティによって管理・運営されるブロックチェーン基盤のメタバースインフラストラクチャです。完全に分散化された大規模アプリケーションの開発、展開、効率的な運用をサポートし、あらゆる規模の分散型アプリケーションが、中央集権型アプリケーションと同等の使用感を得ることができます。

 従来のブロックチェーンにおけるコンセンサスの考え方は、「共通の台帳」モデルとして考えることができます。すなわち、複数のノードが協力して共通の台帳を管理し、各ノードがネットワーク上のあらゆる取引を計算して記録し、コンセンサスアルゴリズムと呼ばれる異なるルールに従って誰の記録を共通の台帳に更新するかを決定、そして他のすべてのノードに同期されるというものです。つまり、全てのトランザクションや計算を全てのノードで実行し、コンセンサスを得てから同期する必要があるため、計算効率が大幅に低下し、ゲームなどの複雑で高頻度なリアルタイム計算を必要とする大規模アプリケーションをサポートすることはできません。

 そこで、Ethanimではこうした思考を転換。全ての取引でコンセンサスを行うのではなく、トラステッドコンピューティング技術に基づくTrias Layer -1のブロックチェーンソリューションを活用し、アプリケーションプログラムのトラステッドな実行環境とコントロールプログラム「トラステッドステータスマシン」を構築しました。これにより、アプリケーションを実行しているノードは、そのコードの整合性や動作状態を規制・監視するトラステッドな環境の中に置かれることになり、正しいアプリケーションが正しい環境の中で実行されていることが保証されます。同時に、トラステッドステータスマシンの信用ステータスを検証する検証ノードを導入することで、システムの分散とセキュリティを確保。さらにこの検証は非常に簡単で効率が高く、システムの性能に左右されるものではありません。こうした仕組みによって、計算結果に対して多くのノードが再度コンセンサスを形成する必要はなくなり、大規模で複雑な計算のコンセンサス効率が低下するという問題を根本的に解決したのです。

 また、ノードをトラステッドな状態に保つだけでなく、トラステッドステータスマシンはアプリケーションプログラムのステータスのスナップショットを継続的に複製し、永続的なファイルシステムに保存します。同時に、スナップショットのインデックスハッシュもメインチェーン上に保存され、どのユーザーもメインチェーン上のインデックスハッシュを要求して、保存された状態のスナップショットをダウンロードし、プログラムを任意の状態に復元することができます。これによってたとえアプリケーションが停止したとしても、これを蘇らせることができ、アプリケーションが消えてしまうことはありません。

 Ethanimはアプリケーションを実行時には信用ができ、停止時には誰もが復元できる状態にすることで、アプリケーションの永続性と分散性を実現し、さらにその性能も損なっていません。まさに全く新しいアプリケーションの分散化ソリューションなのです。こうした新たなソリューションを通じて、Ethanimはあらゆるアプリケーションの分散化をサポートし、アプリケーションの計算がいくら複雑であっても、ハードウェアの条件が整ってさえいれば全て実行可能であり、さらに瞬時にコンセンサスを得ることができます。

 以上、Ethanimと従来のブロックチェーンの相違点を簡単に解説しました。それでは、ここからはEthanimのさらに詳しいテクノロジーについて紹介しましょう。

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