8 ガバナンス
Ethanimがメタバースの基底プラットフォームとして、メタバースアプリケーションや経済システムの安定稼働を担う以上、効果的なガバナンスは特に重要となってきます。市場化された分散型システムの場合、単一の主体がシステム全体の変更を一方的に強制することはできません。分散化の維持と効率的な改善はある程度矛盾するものの、どちらも不可欠であり、これはガバナンスに依存することで調整する必要があります。優れたガバナンスの仕組みは、分散型システムを持続可能にするための基礎です。Ethanimのガバナンスメカニズムは、効率的で柔軟、科学的なアプローチで技術のイテレーション、経済の調整、資源分配を最適化し、Ethanimの独立性を維持しながら、コミュニティが発言、監督、意思決定できるよう設計されています。
8.1 Ethanimガバナンスの設計理念
1、分散化を持続
プラットフォームが成長していき、システムに関わるステークホルダーが増えていく中で、それぞれの主張が十分に表明され、誰かが絶対的な権力を持つことがないようにするための仕組みが必要です。
2、高速・高効率
急激な市場の変化に対して、システムはタイムリーに対応するべきです。対応が遅れると、システムの競争力が低下します。 改善のための提案は迅速に行われ、決議され、実行される必要があります。
3、科学的意思決定
賢明な意思決定には、意思決定者に十分な知識と思慮深さを要求するものです。 良い意思決定者をどのように選別し、その行動をどのように監視するかは、良いガバナンス機構が考慮しなければならない問題です。
4、シンプルで実装が容易
複雑すぎるガバナンスメカニズムはコミュニティ参加へのモチベーションを損ないます。持続可能なガバナンスの仕組みは、理解しやすく、運用しやすいものでなければなりません。
8.2 ガバナンスメカニズム
8.2.1 概要
科学的かつ効率的なガバナンスを確保するため、Ethanimの重要な意思決定は、“持ち回りの専門家委員会”で行われ、専門性と先見性をもって最終決定がなされるようになっています。また、ガバナンスの一元化を避けるため、専門家メンバーの選出はコミュニティによる投票によって決まります。システムの改善提案は誰でも行うことができ、トークンを保有する全ユーザーの投票により、最終的な”ガバナンス総会”での可決に進むかどうかが決定されるため、分散的でありながら効率的な意思決定が可能となります。
Ethanimシステムの初期では、システムの開発、イテレーション、ガバナンスは、独立した非営利団体であるEthanimファンドによって調整されます。システムの改良が進むにつれ、ファンドは徐々にその力をコミュニティに譲渡し、最終的にはコミュニティ主導のガバナンスを実現します。
8.2.2 ガバナンスメカニズムのキーポイント
1、ガバナンス総会
ガバナンス総会は、持ち回り専門家委員会が評議員として参加し、提出された議案を採決するコミュニティガバナンスの定例会議です。
2、持ち回り専門家委員会
Ethanimのエコシステムの各方面から、十分な知識、経験、意思決定能力、参加意欲のある専門家を選出します。トークンホルダーの中から投票によって選出され、定期的に選挙が行われます。
3、提案
コミュニティのユーザーなら誰でも提案でき、トークンホルダーであれば誰でも提案に投票することができます。投票の重みはステーキングの量と期間に正比例します。
4、議案
ガバナンス総会までに最も多くの票を獲得した議案は正式な動議となり、総会での決議にかけられます。
5、決議
ガナバンス総会で議決された議案は実行段階に入り、これを決議と呼びます。
6、Ethanimファンド
持ち回り専門家委員会の選出、ガバナンス総会の招集、決議の発表、実行、監督、コミュニティへの進捗報告などを行います。
7、コミュニティ
コミュニティはEthanimエコシステムの最も重要な部分であり、ガバナンスメカニズムの基礎的要素です。Ethanimエコシステムをフォローし参加するすべてのユーザーで構成され、すべての提案、持ち回り専門家委員会のメンバーはコミュニティから出され、コミュニティによって投票されます。
8.3 ガバナンスの目標
1、技術のイテレーション
技術が時代遅れであり、市場のニーズに適応できないものであれば、そのシステムはユーザーから徐々に見放されてしまいます。 Ethanimのガバナンスは、システムが常に最新の技術を吸収して改善し、システムを常に最新の状態に保つために迅速なイテレーションを続けることができるようにする必要があります。
2、経済の柔軟な調整
効果的に経済の調整することは、全く変化のない経済政策よりもシステムの繁栄にはるかに効果的であることが証明されています。Ethanimガバナンスの重要な役割は経済政策を柔軟に調整することであり、市場の変化に対応し、エコシステムの発展に有益な行動を奨励する一方で、ネガティブな行動を抑制する必要があります。
3、エコシステムの繁栄
エコシステムは、プロジェクトが成功するかどうかの決定的な要因です。メタバースは壮大な未来であり、Ethanimの使命を鑑みれば、Ethanimのガバナンスもまたその要求に応えうるものでなければなりません。異なるメタバースアプリケーションに互換性を持ち、より多くのユーザーをサポートし、メタバースのエコシステムを成長・繁栄させ続けることが必然的に必要になります。
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